外国人力士の日本語 どげんかせんといかん

存在の限りなき軽薄さ

榊原烋一 【サカスト】
2008年9月18日(木)寄稿

自民党次期総裁はどうやら麻生太郎氏に決まりそうだ。せっかく劇場版の再現を見越して5人も立候補してテレビであおろうとしたらしいが、早々に大勢が決定してしまったのではその甲斐もないようだ。もっとも最近はテレビがあおりたてる劇場型政治に対して国民からの評判の悪さに気付いたのか、テレビ自身も総裁選の絵を出すとそれと見合うだけ民主党の絵も出すというような気使いもするようになった。

人気という点で福田投げ出し総理よりは勝るのだろうが、この麻生氏はいささか軽薄で失言癖が多いところが非常に気になる。特に韓国、中国などに妙な優越感を持っているらしいから、総理となって下手をすると外交問題になるような失言をしないか気掛かりだ。アニメおたくもいいけれども、外交上の問題までアニメのストーリーのように行くと思われては困る。

つい先日も、名古屋での総裁選の演説中にこの失言が飛び出したことは皆さんもよくご承知のことと思うが、私もテレビでその光景を見ていて、またやったかという思いだ。彼いわく「あの大雨が安城や岡崎だったからいいけれど、ここ名古屋だったらこの辺洪水だぜ!」これが少なくとも一時にせよ総理になろうという人間の発言だから困ってしまう。

第一に、自民党の総裁選ならば一般の国民の前で演説する必要なぞどこにもない。総裁選はあくまでも自民党の国会議員と地方議員がする選挙であって、大衆の前で演説する必要はないはずだ。まあこれも総選挙目当ての宣伝活動の一環なんだろうけれど、同じ愛知県で被害を被っている人が沢山いる事を忘れて、目の前の名古屋市民だけしか頭にないからこういう発言が出るのだ。

ということはこの人には既に総理になる資格が著しく欠けているという証拠だ。これには即刻岡崎市からの抗議を受けてしまった。誰が考えたってこれは大失言に決まっているから、さすがの麻生氏も岡崎市と安城市にはおわび状を出したらしい。もう一つ、この時の彼の口調がよくない。一般市民に向って「だぜ」という語りかけはないだろう。本人は親近感を出しているつもりなんだろうけれど、日本国民すべてがアキバ系おたくだと思われてはたまらない。

彼がもし自民党総裁になり総理になったらば、ひょっとして国会解散をしないという選択肢もある。解散をすれば現在の議員数を確保することは間違いなく困難だから、ここは公明党の都合などおかまいなしに任期いっぱい粘っていれば、民主党だって作戦変更を余儀なくされてしまう。とにかく衆議員では解散さえしなければ与党は今でも定数の三分の二を確保しているのだし、参議員で否決されても衆議員で再議決という奥の手を使えばいいわけで、そうなれば公明党だって与党側でいたいから結局は自民党の言うなりにならざるを得ない。

そんなこんなしているうちに民主党の反対によって法案はことごとく通らない、となれば国民の見方は民主党が勝手すぎるからとなり、そこを見計らって解散総選挙と打ってくれば少なくとも年内に解散するよりもましな結果になる、という読み方だってあろう。どの道をとるにせよ、現在の日本がおかれている状況は国会議員の戦争ごっこなどやっている状況でないという危機感を、政治家すべてが持ち合わせてくれなければ困る。

かたや民主党の小沢代表、ここで勝てば一生の念願だった総理の座がわが手にと思っているのか、このところ鳴かず飛ばずでもっぱらせっせと選挙活動に懸命だ。アメリカが大統領の終末期を狙っていたかのような経済大破たんを起こし、その影響は全世界的になろうとしているというのに、最大野党を率いる代表としてそれには一言もふれずに、今度は国民新党とまで野合しようとしている。

せっかく小泉さんがやっとの思いで成功した唯一の改革の成果を、票が欲しいという理由でまた振り出しに戻そうとするのか。郵便局長会の応援を予想しての行動だろうが、結局はまた役人たちの思惑どおりの改革阻止に戻ってしまうだけだ。代表選挙に対立候補一人さえ出せないこの政党のワンマン容認主義も軽薄の限りだ。

さて文句は役人にも言いたい。社会保険庁のやった悪事はまだまだ終わる所を知らないかのようにゾロゾロ出てくる。今度は自分たちの点数稼ぎのために、会社をだまして給与の額を少なく申告させ、保険料滞納の始末をつけたという。これに該当した受給者は自分の給料から考えて年金はこれだけもらえるはず、と老後の計算をしているのに、いざ年金をもらう段になったら大当て外れで、平均給与額に応じて年金は計算されるのだから、知らない間に給与が減額されて報告されていれば年金だってその分しかもらえない。この訂正をするだけでまたまた不必要な税金がごっそり使われる。

無駄な税金と言えば、最近の事故米騒動が同様だ。いくらWTOの決定で本当は不要な米を輸入しなければならないからといって、農薬汚染米まで輸入する義理なんてどこにもないはずだ。しかも国内産だけでも余っている米だからいつまでも売れない。倉庫に積んでいるだけでカビだってはえてくる。そうなりゃ始末に困るから安くたって買ってくれる人間がいれば上得意様で、売ってしまえばその先どうなろうと知らん顔。今回のように騒ぎが大きくなって来てあわてて汚染米は売った国へ返すと言いだす。

いくら義務で買うとはいえ、口に入れられない米まで買うなんて初めからしなければいいのだ。だいたい地方農政局の役人などは前にも述べたことがあるが、その仕事をチェックする機関がどこにもないから、いいい加減な仕事もやりたいほうだいだ。こういう仕事こそすべて地方自治体に任せてしまえば、そこには少なくとも住民の監視が入るからこれほどいい加減な仕事は出来ないはず。

大分県の教師のように数百万の賄賂を贈った、もらっただけで懲戒免職になるのが公務員の世界なのであれば、社会保険庁だの農政局だのの役人は数十億という無駄金を自分らの作為、不作為いずれにせよ国民に負担をかけていることを考えて、退職者も含めて国家公務員である者、あった者の中から、せめてこの際、一人百万くらい国家に寄付しようという運動を言い出す人がいてもいいんじゃないかとは思いませんか。

この記事の読者数:

i2i無料WEBパーツ
無料カウンター



Copyright©Toru Kishida 2008 All Rights Reserved.