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榊原烋一 【サカスト】 |
福田改造内閣が発足した。福田さんらしい調整型人事で各派閥からもれなく閣僚を選び出し、女性閣僚も過不足なく二人起用してお茶を濁した形だ。この人、調整型にしては意外とへそ曲がりで、マスコミが改造は8月4日だと騒ぎ出すと1日に繰り上げてしまう。本人は記者会見で安心実現内閣だ、なんて大見得切っていたようだが私に言わせれば改革中断内閣か、でなければ官僚安心内閣という感じ。
だいたい昔から政治家にしては発想が官僚以上に官僚的な谷垣、与謝野両氏の入閣や町村氏の留任だけみてもこの内閣のやりそうなことの輪郭が分ってしまう。これで選挙を控えていなければ明日からでも消費税増税を言い出したってちっとも不思議でない。
しかしこの内閣も本当に難問を抱えての船出だ。とにかく日本は空前の資源高、物価高の渦の中に放り込まれ、消費者物価は毎月のように値上げラッシュ。しかもひと昔のように物価も上がるが収入も増える、という時代ではなく、物価は上がるが収入は減るという時代に突入してしまったのだから。
まして外交問題も難問続出、竹島問題で日韓関係も緊迫してくるし、まして韓国に評判がよくない麻生幹事長の任命、まもなくインド洋での給油の特別措置も期限切れ、アフガニスタンへの出兵も強要されそうだし、かといってねじれ国会で参議院ではこれらは軒並み反対されそうだし、衆議院へ戻して再可決をと思っても今度は公明党の出方次第ではそれも難しい。テレビで意見を聞かれている国民の大多数も期待していませんねの大合唱。
この分ではせっかく火がつきかかった地方分権の声もどっかに消え去ってしまって、またまた中央官僚の既得権墨守の壁は突破不能状態。もともと地方分権が叫びだされたのも大都市圏とそれ以外の地方の財政状態が極めて不均衡になってしまったこと、中央集権の弊が極端になって地方に任せておけばいいものまで中央にお伺いをたてねばならない能率の悪い行政組織(実例を聞いたことがあるが、ある町でバス停を3メートルほど動かそうとしたら国土交通省にお伺いを立てなければダメだったそうな)。
国、都道府県、市町村がそれぞれ同じようなことをやっているケースもやたらにある。民間に任せた方がよほど能率的だと思われることができない、など数え上げればきりがないほどまだまだ行政にはむだが山ほどあるから、それができてからこそ消費税という段階に入るのが当然なのに。この内閣はいつ、何をするのかがさっぱり見えてこない。そうかといって【サカスト】がいつもこぼすように、政権交代のチャンスがかなり大きくなって来た民主党だってこれらの問題に明瞭な解答は出さず、こちらは税金のばらまき作戦を考えているだけ。
そこで【サカスト】はこれらもろもろの日本のおかれた閉塞状態を打ち破る名案を提案しようと考えたのだ。それは江戸時代末期にまで日本を引き戻すこと。徳川3代将軍以後200年にわたった鎖国状態の中で、幕府は幕末に至るまで大平の夢をむさぼり続けていたと多くの日本人は思っているようだが、これはとんでもない誤解だ。
幕末のころの江戸幕府政策の中核をになった武士たちは、当時の世界情勢を正確に理解していた。当時の日本の武力ではとうてい欧米の軍事力には対抗不可能ということも分っていたからこそ、苦渋の選択として開国を決断していたのだ。あの時、朝廷や地方の武士の言うように攘夷などを選択していれば、日本の各地にも欧米の植民地が作られていたかもしれない。
何を言いたいのかといえば、いつまでも経済大国だのアジアの先進国だなどというつまらない見栄をもう一度そぎ落として、日本は今や二流か三流の国だと思ってしまえばいいのだ。敗戦後の日本なんてアメリカに占領されていたからこそ一生懸命はい上がって現在がある。もう一度潰れてしまえば、能力ある日本人は再びはい上がれるはずだ。
日本が潰れそうなきざしは既に出ている。最近の若者の起こす事件に現れてきた。自分が思う通りにならないからという理由で無差別殺人を起こす、理由を聞いてみると親に相談しても聞いてくれない、だから誰でもいいから殺してやりたかった、だ。これこそ大人になっていない若者の実態をよく映し出している。更に細かいことを言うと最近の若者のビール離れ、これも理由は苦いからだそうだ。苦いものが嫌いなのは子どもに決まっている、大人になればこそその味わいが分ってくる。子どもだから結婚も求めない、したがって子どもも生まれない。子どもが欲しくないという動物は絶滅の道を歩むしかない。
飛躍しているようだが、こういう現実があるからもう一度幕末の日本状態になる方がいいと考える。あの時欧米諸国は日本に手を出そうとはしたが、それよりももっと大きな国に手を出した方がもうけが大きいとインド、そして中国の攻略に精力を傾けた。おかげで日本はいくつかの港を開いただけでことなきを得た。ただし不平等な条約に甘んじることも仕方がなかったのだが…。日本は小さな国だと世界に宣伝することこそもう一度大きな前進の道へつながろうと言うもの。
しかしよくよく考えれば、調整型で八方丸く納めよう、目立つことはやめよう、改革なんて無駄な労力は使うまい、という福田さんの姿勢はなんとなくこの国を救ってくれるのかもしれないな。
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